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世界語行脚(3) 

カテゴリ:随筆 世界語行脚

ハ行の感情と芸術かな遣い

前述のように、父は「恋」のいう言葉の音の感情を表現するために、カナでは「コヒ」と書いております。
ハ行「ヒ」の音には、ひろがる、ふくれる、という感情の叫びであり、「恋」という言葉には、ひろがる、ふくれるの感情が含まれているという理由からです。
父はこのかな遣いを「芸術かな遣い」といっております。
さらに、ハ行の音の感情について次のように説明しています。


ハ行の(ひろがっていく心体)は、中心から離れて、前後左右に、
だんだん開いていく、ふくれていくネ。
ツボミも、ふくれて、刻々に表面の大きさを変化させていくでしョ。
小さい形から大きい形へと、刻々ひろがッて、原形から、離れて変わッていくでしョ。
ひろがる心体はふくれる心にもなるでしョ。
だんだんに原形から変わッていく心でもあるでしョ。
ふくれ、ひろがり、原形を去り、刻々に離れ、あらはれ、
どこまでも表面化を続けていく心でもある。
ちょうど、静かな水面に石を投げたときにおこる波紋のようにネ。

つまり、ハ行の声の感情は、
ひろがる、
ふくれる、
原形から離れていく 、
変わっていく 、
変化する、
などを表す叫びだというのです。
そして、ハ行の感情を含む言葉は「芸術かな遣い」で次のように表記しています。
             
変る・・・(カル)
      原形から変化する。
遠く・・・(トク)
      原点から離れていく。      
毀れる・・(コレル)
      原形から変化する。
川・・・・(カ
      原点から離れてひろがっていく。
前・・・・(マ
      原点からひろがっている。

いずれも、ハ行の音を含んでおり、その言葉の意味に、ハ行の感情が含まれているというのです。


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随筆 世界語行脚(2) 

カテゴリ:随筆 世界語行脚

恋 その2

「コヒ」というコトバの「ヒ」の音の感情についての説明です。
ハ行、H、P、B、V、F系の音は拡大心。
ひらく、ふくれる、変わる、願う、などの感情を表しているということを、英語やアイヌ語を例にして説明しています。



ハ行の声は、ふくれる心、ひろがる心の声だ、と、考へたネ。
つぼみが、ふくれるネ。
ミと言ッて、ハ行のボがはいッているネ。
だから、ツボミは、ふくれるらしいョ。
英語だって、ツボミはふくれるらしいョ。
蕾(BUD)、と、ハ行のBがあるョ。
ツボミがふくれて、雄しべの心と雌しべの心とが、いッしョになッて、行く先は、実をつくッて種をおとすんだロ。
男も女もサ、コヒしたら、コで、相手をほしい心がふくれて、行く先は、男女一緒になって、子供をつくッてのこすんだョ。
こいつは、自分の意志でコヒしてゐるようだけれど、そうじゃないョ。
草木だッてサ、ツボミをつくッて、雄と雌がいッしョになッて、実をつくるが、自分の意志ぢゃないョ。
自分の意志だと、思ひこまされてゐるだけだロ。
宇宙現象のために、そうなるように、つくられたのだろう。
そのことは、また、べつの話にしようネ。

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春から、コヒの話にはいッたのは、ハルにも、ハの音があるから、その年がひろがッていく季節、とみえたからサ。
私はネ、英語も、(こひ)は相手へ、思いをひろげていく心、と叫んでいるようにみえるのサ。
ひろがる心のハ行の声、が、英語の(こひ)にもあると思ふのだ。
(恋)LOVEの中のVが、ハ行の感情と見るのだ。
私はネ、H,P,B,V,Fの感情を、ハ行の感情とみたョ。
Lの声、ラ行の感情は、(連絡する、つなぐ、一方から他方へ、正反対へ)などの心の声と考えるが、これも、ラ行の話のときに、ゆふけれどサ。
ほら、春、ハルは、ハ(ひろがる)ル(左右のつながり)となろうョ。
そこで、(恋)LOVE、はネ。
L(つながりたい)V(思ひを相手にひろげていく)とゆふ感情に、私はよめるんだョ。
芸術かなづかひでは、恋を(コヒ)と書いたけれど、同じ感情が、英語のLOVEにも、あると考えるのさ。

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私はネ。
世界中の人間の体の構造はおなじだから、感情の声にも、同じ叫びの出るのがあると思ふのサ。
きッと、他の国にも(コヒ)のコトバに、思いをひろげていくハ行の声がはいッてゐるものが、あると思ふョ。


随筆 世界語行脚(1) 

カテゴリ:随筆 世界語行脚

シブヤ シゲヨシの著書「アイヌ語と英語」に収録されている、「随筆 世界語行脚」を紹介していきます。
長い文が続くと目が疲れるのではないかと思い、目を休めていただくために、文中に写真を挿入してみました。
写真は、管理人(E-Shibuya)撮影のもので、文とは直接関係ありません。



はじめに、ことはッておくけど、私は、芸術かなづかひで、書くことを、くふうするョ。
恋とはなんだろうと言ったら、まづ、恋を(コヒ)と書いて、声の感情で、考へてみるのです。
その、声の感情のかなづかひを、してみるのです。
私だけの、芸術かなづかひで、書くことにしてみるョ。
(恋)のことを(コヒ)と書いたネ。
これは、私の言ふ、コトバの心を示して読ませたい、芸術かなづかひで、書いてみたんだヨ。
恋とは、なんだろうネ。
春はネ、春、夏、秋、冬、の、春はネ。
いろいろの草木の芽が出て、生長して行くネ。
葉をひろげえて行くネ。
茎も幹も伸びていくネ。
どこへ行くノ。
実のなるところへ行くんぢゃないだろうヵ。
実がなッて、種子をおとすところへ行くんぢゃないだろうヵ。
春の草木は、芽をだして、丈を伸ばして、せッせ、せッせと、空気や日光や水や土やからの養分を集めて、だんだん蕾もふくれて、やがて花もさく、とゆふところへ、進んで行く時だとおもふョ。 

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あのねェ、(恋)のところはネ。
つぼみが、ふくれて、花べんがひらく、そしてネ。花べんがひらいて、雄しべの心が、とんで行こう。
花べんがひらいて、雌しべの方は、待ッてゐよう。
このへんが、(恋)だろうナ。
行く先は、実をつくッて種子をおとすところまでなんだが、雄しべの力と雌しべの力とがいッしョになってしまふころからは、雄と雌の心が一緒になるので、このへんからは、(恋)よりも、(愛)のほうが強くなッて行くんだろうナ。
(恋)のときにも(愛)はあるけどサ。
この頃までは、まだ(愛)よりも(恋)の方が強いんだヨ。
雄しべと雌しべとが、分かれてゐて呼び合ッてゐるときには、(恋)のほうが強いんだヨ。
そして、いッしョになったときからは(愛)の方が強くなるんだョ。
いッしョになって、(愛)の方が強くなッても、(恋心)はあるけれど、もう体の中のほうだョ。
あのねェ。葉をひろげ、つぼみがふくれ、だんだん花べんをひろげる、そうゆふ姿は、生物には、(心をひろげて行く)とゆふ、心と体があると、私は思ふのサ。
たとへばサ。目をあけて、何かほしいなァ、とゆふ気がおきたら、瞼をひろげて、みまはす。
食べたいなァ、とゆふ気がおきたら、口をひろげて行ッて、入れたい。
手をひろげて行ッて、つかみたい。
いいかい、この手をネ。取りたいものがあると、こう、五本の指をひろげていくだろう。
そして、それを、つかもうとするョ。
この、食べたいものへ、口をひろげていく、取るものへ、手をひろげて行く。見るものへ瞼をひろげていく。
もッとひろげてたとへば、大学へ行きたくて、希をひろげていく、商売を大きくしたて、品物をひろげていく。
人にも、ちョうど、木が八方へ枝をひろげ、葉をいッぱいひろげていくように、八方へ心をひろげてい、心体がある、と思ったョ。
この、ひろげる心体から声がでたら、私は、(ハヒフヘホ、HBVP系統を叫ぶ)と、考へてみたのサ。
人体ではネ、瞼も唇もひろがるし、皮も膜もひろがるし、胃袋も膀胱もふくれる、と思ふヨ。
人の体にある(ふくれる心体)は、いろいろのところに、あらはれるわけだ。この(ふくれていく心体)が、声をだしたら、(ハヒフヘホ、HBPVF系統を叫ぶ)と考えたョ。

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(恋)ッて、なんだネ。
なんだかしらないが、私の考へたところでは、男なら女へ、女なら男へ、子供なら親へ、親なら子へ、すきで、
コ(カ行)迎入心 ヒ(ハ行)拡大心 ・・・・迎えたい 思ひをひろげていく。
男女の間でなら、すきで、迎えたい、ほしい心をひろげていく、と、(コヒ)の字の感情から考へて、思うんだヨ。
つぎからつぎとその相手へ、すきで、思ひがひろがッていッて、どうにもならないョ。
ほしいんだろう。すきだから、探したいんだろう。すきがから、語りたいんだろう。すきだから、誘ひたいんだろう。
すきだから、抱きたいんだろう。

ともかく、ヒ・・(思ひがひろがッていく)んだョ。
その(ひろがッていく心)はハ行を叫ぶ、と私は言ッたネ。
だから私は、(恋)のことを、芸術かなづかひで、(コヒ)と書くのサ。
(コヒ)のヒに、(思ひをひろげていく)感情があるとしたら、コヒのコにも、感情があるわけだヨ。
カ行は(迎える、受ける、引く)などとゆふ感情と考えるけど、これはまた、カ行のときによく話すヨ。
カ行は、迎へる心だし、ハ行は、ひろがる、ふくれてゆく心だし、そしたら、コヒの字では、(迎えたいと、ほしい心をひろげる)となるのだよ。

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※ 文字だけが長く続くと、読みにくいのではないかと思い、文中に写真を入れてみたのですが、関係の無い写真を入れると、全体の雰囲気を壊すのではないかとの心配もあります。
ご意見をいただけると有難いです。
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